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デジタル教科書モデル指導案
モデル指導案開発の考え方
 学習者用デジタル教科書の活用によって、より自立的に、また対話的学ぶ子どもの育成をめざすことができると考える。図1は、学習者用デジタル教科書を活用する際の授業モデルである。これまでの授業では、教師の投げかけや整理を中心に、主に一斉指導の中で授業が行われてきた。しかし、子ども自身が教材と深く関わり、デジタル教科書を介して個の知識構築部分を重視しながら、交流を通じて相互作用の中で、さらに知識の再構築を図っていく授業モデルを開発した。このモデルに従いながら、各単元において指導を工夫できるよう、モデル指導案を作成し、提案する。
「国語科学習指導案スタンダード」の考え方
【基本1】学習者用デジタル教科書の「抜き出し機能」を本時の主な活用機能とする。
 「抜き出し機能」は、キーワードやキーセンテンスを簡単に抜き出し、整理、構造化することができる。それぞれが読み取った内容を、「抜き出したワードやセンテンス」「カードを置く位置」「矢印や書き込み」をすることができるため、多様な学びの様相を見ることができると考える。

【基本2】「個の学び→協働(ペア)の学び→全体の学び」という授業展開とする。
 モデル図にあるように、個の考えが協働的な学びや全体の学びを経ることで、スパイラルに深まっていくように、「個の学び①→個の学び②→個の学び③」というように、3回の個の学びの時間を設定している。個の学び①では、「自分の考えをもつ」ことを重視し、内容の質的な高まりは期待しない。その後、ペアやグループで対話的に学ぶことで、自分の考えを形成する個の学び②や個の学び③の時間を設定している。ここで内容の質を高め、自信を持って全体でも発表ができるようにしていく授業展開となっている。

【基本3】個の学びでは、考えを整理、まとめる時間を保障する。
 基本2とも関わる事項である。協働(ペア)の学びや全体の学びを経ながら自分の考えを形成することができるように、個の学びの時間を十分にとる。
図1:学習者用デジタル教科書を活用する際の授業モデル
図1:学習者用デジタル教科書を活用する際の授業モデル
開発したモデル指導案
〈説明文教材〉
○小学校・4年生「ウナギのなぞを追って」(光村図書)【PDF ダウンロード
○小学校・5年生「固有種が教えてくれること」(光村図書)【PDF ダウンロード
○小学校・6年生「『鳥獣戯画』を読む」(光村図書)【PDF ダウンロード



【参考文献】
  • 佐藤幸江,鷹野昌秋,森下耕治,中川一史(2021)
    学習者用デジタル教科書活用のための学習指導案の開発〜学習者が主体的に課題に取り組み,思考の整理と検討を目的とする学習活動めざして〜AI時代の教育学会第2回年次大会,発表集録pp.12-13